(左脳優氏)
息診?そもそも「息診」というものは何なのか、情報で教えてほしいですねぇ。
そして、これまでの「医療連携」や「共通言語」そして「盲点」に、 どこのどこ
から 、どのような繋がりがあるのか、解りにくいですよ。
(右脳優氏)
いいけど、そうねぇ・・・どこから話したら良いのかしらん?
シモの話ならともかく、お堅い話は苦手なのよねぇ。
じゃあ、現代医学の診断法と東洋医学の診断について説明して頂戴ね。
(左脳優氏)
では、簡単に説明してみますが、変な場所とか細かい所をつっこまないで下さい。
まぁ、我が国の個人医院が主流だった頃、その保険医療においてですが・・。、
初診時に医師が患者に四診を通していますよね。
そう、西洋医学系の四診でも、問診・視診・聴診・触診が基本です。
患者の訴えから主訴を問いかけ、現病歴、家族歴や社会歴等を問い、
顔の表情や色あいを見て、話している声のトーンにもつれがないか、
また、訴えている部位を触れて、心音や呼吸音を聴診器で聴きつつ、
脈の雑音、リズムを計り、口腔内の色や変化を診たりするわけです。
徒手的な理学的検査も、直接頭から足まで様々な検査があります。
ただ、現在医療の診断方法の特徴、それは多くの精密検査でしょう。
症状との関連性、そこから疑われる危険な状態を推測、診断の確立 を
上げる為に、血液や尿・便を採取しての検査に加えて、放射性元素 を
併用した化学的検査を通すこと、つまりX線やCT・MRIなどの 画像
診断を行い、必要なら、造影剤や内視鏡等の様々な検査を依頼してから、
もう一度患者と向き合って診察し診断するわけです。
また、似ているようでちがう、東洋医学系の「四診」があります。
望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診・切診(せっしん)です。
望診は展望の望ですから、患者を眺めつつ先入観なく診断すること、
聞診では、患者から発せられている様々な音やリズムを聴くこと。
問診は、直接問いかけて帰ってくる反応を聴き取ること。
切診とは切って診ると書きますが、いわゆる触診のことなのです。
東洋的な診断の特徴を挙げるなら、「脈診」や「腹診」でしょうか。
現代医学でも「バイタルサイン」等で患者さんの生命情報を記載しま
すが、東洋医学の診察とは、広範囲に大掴みしながら、言葉では 矛盾
せず、そこから細かく分類して診断しているのですよ。
そして、診断と言っても、日本では医師しか「病名診断」はできません。
ですから、診断というのも様々な診察あって、診断方法に結ぶのです。
(右脳優氏)
おおまかな説明だけど、なんとなく解って頂けたと思うわ。
じゃあ約束通り、「盲点」になっているのにも見逃していた診断方法。
それが「動診」という診断方法なのよ、西洋東洋問わず「盲点」なの。
ちなみに「操体法」では、「ボディーの歪み」と言っているのよ。
特徴的なのは、人は構造があってもそのままじゃないわよね。
例え、御献体を数百例以上細かく診て研究したとしても動かないのよ。
また誤解させるいいかただけど、御献体と違って生きている人間とは、
一秒たりとも完全静止していることさえ、絶対にできないものよ。
だから、患者自身に指示したとおりに動きを通してもらうの。
「うごき」を通して頂くことで、診断するのを「動診」と言うのよ。
それで、患者自身では気付いていない「生命」の情報というのかしら、
生命そのものが「からだ」に起こっているトラブルが、何かを通じて
診察している側の「生命」情報として、現象的に診断できるのよ。
あのね、こんなことを聞いたことがあるかしら?
昔の上医(=名人達人偉人)の方達の言葉が「霊枢」というのがあって、
「漸洳下にあれば、葦蒲に生ず、此れ形気の多少を知る所以なり って
書いてあるのよ。
つまり、目に見えるようなところは必ず目に見えないところがあり、
目に見えている「現象」の下に潜んでいる「潜象」のことは、いまだ
形にならない状態でも、感じとることが可能・・・ってことなのよ。
それは、東洋医学的に言うなら、望診を極めていくことで可能なの。
そういえば、橋本敬三先生も「望診の達人」と言われていたけれど、
それは、この「動診」を通じて「現象」と「潜象」をなんとな~く
感じとっていたからじゃないかしら?
でもね・・・今現在においてすごいのは、やっぱり「息診」なのよ。
ちなみに、操快堂のアルジはこのから師範代のお墨付を頂いたのヨ。
(④へ続く)
※今日の一言
「目で見、耳で聞き、心に感じることは間違わない。
間違うのは判断だ」
~ゲーテ~