<自己形成と他者の許容>
ある小学校の先生が授業の中で、子供たちに伝えた。
水は生きていて、言葉を理解しているのだそうですよ。
きれいな言葉には、綺麗な結晶となる状態となり、汚い言葉には砕か
れたような状態になってしまうそうです。
そして、言葉を一切かけることのない”放置・無視”という仕打ちには
水の結晶が更に破壊されたような状態になるんです。
ですから、みなさんの「からだ」にも60%以上の水分が含まれます
ので、イジメのむごさや普段からお互いに伝えあう”言葉の波動”に
気を配りましょう・・・と。
ところが、この授業を聞いた子供の数人の親から、いい加減なことを
教えないでください!とすごい剣幕でクレームがあり、その先生は謝
罪して授業内容を子供たちに訂正したというのです。
勿論、授業中に先生が参考にしていた書籍は有名なんですが、Amazon
の評価コメントは真二つに割れ、いわゆるトンデモ本になっています。
ですが、このような結晶を作ることが科学的でないからとか、条件に
よるとか批判だけしているよりは・・・「悉有仏性」という仏教的哲
学思想の紹介として愉快だなぁ、とほほ笑んでいられる大人もワタシ
自身としては「エエんじゃな~い!それで」と思うんですよ。
そして批判する側には、少しだけ意地悪なことを言ってみたいですね。
貴方の生まれて間もないころ、このようなことを信じない親に貴方は
育ててもらいたかったのでしょうかね?・・・と(笑)
では、文体を堅くしてブログをはじめます、マクラ長かったかな(爆)
引き続き、発生学的考察で”脳の中の自己内の他者”を考えてみたい。
ヒトの赤ちゃんは、他の哺乳動物より約一年も早く生まれてくる。
例えば、牛や馬の赤ちゃんが生まれて間もなく立ち上がるのに対して、
同じ哺乳動物であるヒトの赤ちゃんが立ち上がる為に、約一年かかる。
実は、この立ち上がるまでの一年に重大なワケが在りそうなのである。
この一年間、ヒトの赤ちゃんの脳の中では、一生分の設計図が記されて
いるのではないだろうか?
つまり一体化しているこの一年間で、愛(=陽子)と調和(=中性子)
と電子(=意識)が組み込まれながら、宇宙の意志である(=大自然の
おっ母さん)と、母体(=母親)と、赤ちゃん(=原子)の時期(=間)
において五感は勿論、あらゆる感覚を共有して相互循環しているので、
”絶対的安心感”である「快の本質」が「からだ」に備わるのだろう。
母親は一年間、赤ちゃんを見つめつつ、乳を与えつつ、言葉をかける。
赤ちゃんは五感で、乳房の柔らかさ・温かみを感じながら吸いつき、匂
いも、目で見つめ、耳で聴き、持てるすべてを目一杯駆使して過ごす。
このように、空間と母親と五感で脳は繋がって「環境」を形成しつつ、脳
細胞の神経突起は次々と伸びて、他者を受け入れる準備をしていく。
ここで大切なのは、絶対的安心感という受容であることは間違いない。
しかし、日本小児科学会で問題になっているのは、これが崩されている
可能性であり、お乳を飲ませながらスマホを見たり、便利だからとつい、
スマホで赤ちゃんをあやしたりすることを、非常に危惧しているらしく、
結果からいえば、生命の本質である「絶対的安心感」「快のききわけ」
に必要な、脳の神経細胞ネットワーク形成に問題が起こりうる可能性を
母親たちに注意しているのである。
ただし、この時点ではまだ”意識的他者”は形成されておらず、あくまで
も「からだの脳」として”他者による接触”であり、この場合の他者とは、
”自己内の対話者”としての他者とは言えないまでも、この他者による接
触が、その赤ちゃんの人生の設計図(=環境)を決定的にしている可能性
であり、ヒトは無駄に哺乳類より一年立ち上がるのが遅いわけではない。
(続く)
操快堂 岡村郁生